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バイーアの誇り [ブラジル]

10/3|22日目
DCimges 730
サンドロに起こされて目を覚ますとどこかのターミナルに着いた様子。トイレで顔を洗っている間に何人かの新しい乗客を乗せ、バスは忙しなく出発する。
サンドロファミリーの住む街サルバドールまでのバス移動は40時間、到着は明日のお昼なので今日はひたすらバスに乗り続ける予定。最後部座席をサンドロファミリーが占め、俺はその前に席を陣取る。通路を挟んで隣りにはこの発着所から乗ってきた超巨漢のアンドレイが座る。武蔵丸みたいにデカイ。サンパウロ行きのバスで出会った馬鹿なブラジル人を思い出し、ドキドキしていたが、それは取越苦労でアンドレイとも意気投合。

DCimges 724
バスが停車場に立ち寄ると寝ていようと音楽を聴いていようとサンドロに起こされ、ビールを飲む。おいおい、まだ朝メシ前だよ。
バス内で飲酒は禁止されているのでサンドロとアンドレイはこそこそとビールを飲んでいるのだがそんなこと知らないオレは普通に飲む。それを2人が茶目っ気たっぷりに笑っている。

サンドロは典型的な親分肌。奥さんと子供たち、アンドレイとオレに気を配り、目を配り、朝メシの注文の仕方からバスに戻るタイミングまでいろいろと声を掛けてくれる。昨晩も世話になりっぱなし。「お前は仲間だ、家族の一員だ」とサンドロが大陸的なホスピタリティを発揮する。
アンドレイにも御馳走になっちゃうんですが彼らはおごるのが大好きでお金は絶対に受け取らないのよ。感謝の気持ちを伝え、日本から持ってきた浮世絵絵葉書をサンドロファミリーとアンドレイにプレゼントする。するとサンドロは右上腕に巻かれていたお守り、コードレーゴンを外してプレゼントしてくれた。
「シャボーリー プロテシート エスピリート(お前の魂を守ってくれる)」
そう言うと「バイーア!!!」とその厚い胸板の心臓のあたりをドン!と叩くのだ。
バイーア~♪なんちゅう歌がありましたがバイーアはサルバドールを州都とする州の名前。ポルトガル人がアフリカから奴隷を連れて来て最初に首都を築いたのがサルバドールで、古く受け継がれてきた歴史がバイーアの人々に独特の誇りをもたらしているのだ。
うれしいな~。自分の腕に巻くと太さが足りないので4周させる必要がある。

DCimges 725
お昼ごはんを食べるといよいよ胃がもたれてくる。もともと体調不良でテンション低め、下痢止めを飲んでウンコもすっかり出ないしバス酔いもしてきた。まぁそれでも停留所ごとにビール。
サンドロはカリスマ性があるのか、どんどんとゴチいヤツを仲間に加え、皆にビールを振舞う。ブラジリアン柔術使い、黒人のかっけーヤツ、その連れのひょろっとしたヤツ。皆が席を後部座席に移動して来て大騒ぎ。その中心にサンドロがいる。奥さんのバニアも大変ですなー。
聞けばサンドロはオレとタメ。子供も2人いてたいしたものです。オレは専ら子供の遊び相手をしていて妹のウェミリーも徐々にオレに慣れてきた様子。お兄ちゃんのルーカスは慣れを通り越して悪ガキっぷりを発揮。かわいいものです。

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何度目かの停留所。男連中とバス停から少し離れた屋台までビールを飲みに行く。太陽が西日へと意識を傾けるその時、ふと我に返るとそこにいるのは何とも濃ゆいブラジルの男たち。下ネタで大盛り上がりのその男たちはみんな良い表情をしていて、ついさっき出会ったばかりの仲間とはとても思えない。
写真が撮りたいなと思ったけれど、行動に移せない。ちきしょー、体調が良ければ道化になって今以上に盛り上げるのになぁと心底悔しい。

夜。夕食をスルーしたオレは停留所の向かいにただひとつ電気を灯した場末の飲み屋でひと休み。ひどくくたびれたビリヤード台の向こうで歳を重ねた元おねえちゃんがビールとグラスを用意する。ここはどこだ?オレはここで何してるんだ?
停留所併設のシャワーを浴びたサンドロが向かいの席に座り、アンドレイと3人ビールを飲み始める。子供たちを寝かしつけたバニアも加わる。この3人が良く飲むんだ。結局バスを待たせてしまい乗務員に怒られる。

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