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アマゾンジャングルロッジツアー! [ブラジル]

9/24|13日目
8時、ホテルに荷物を預けてピックアップを待つ。日曜日の朝で道を行く人もまだ少ない。暑さはまだ心地良いがこのあと小1時間もすれば路面が熱せられ、大気が纏わりつき汗が吹き出る。
本日はアマゾンのジャングルロッジ1泊ツアー!河に浮かべたロッジでノンビリ過ごすツアー。小学生にとって想像力広がる土地、アマゾン。仮面ライダーアマゾン、川口浩、ムツゴロウさん、社会科資料集のカラーページ。小学生時代、いつかは行くもんだと思い込んでいたんですがホントに行くんだな、へへへ。
南米時間ということでホテル前で40分待つ。その頃には暑さで疲労困憊。ポルトガルからの老夫婦も合流していざフェリーターミナルへ。

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市場に隣接したフェリーターミナル。上半身裸で働く無骨な男達や目付きの鋭い子ども達の間を縫って目的のフェリーに乗り込む。河に飛び込んで遊ぶ子ども達が見える。
動き出すフェリーにはヨーロピアンの先客が2組。オランダからのカップルにイスラエルからのカップル。お互いにちょっとした挨拶が済むと「何で一人で旅してるんだ」みたいな事を聞いてくる。ほっといてくれ。
4人とも空港で出会った客引きアームストロングの誘いでツアーに参加しているとのこと。自分は断って街で申し込んだんだと言うと何故だか気まずい雰囲気に。単語や間合いを間違ったかしらと思っていると「それはきっと良い判断だよ。」とオランダから来た兄ちゃん Mattijs が笑顔で話を受けてくれる。Mattijs はブラッド・ピットをプログラマーにした感じの人。実際にプログラマーで男前。やさしいヤツでこのツアー中、自分のダメな英語のテンポに合わせて喋ってくれた。Mattijs はタメ年で話しやすくお互いの今までの旅程や自分がオランダに行ったときの話で盛り上がる。

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アマゾン観光のハイライトのうちのひとつ、2河川合流点 Éncontro das Águas に到着。アンデスの雪解け水を集めて流れるソリモインス川とコロンビアに水源を持つネグロ川がここでぶつかりアマゾン河となるのだが、この2河川が水の比重と流速の関係で混ざり合わないのである。ネグロとは黒という意味。黒い川と黄色い川がどこまでも混ざらずに流れる。それがアマゾン河だ。後日122時間かけて河口の街ベレンまでフェリーで下るのだがその間もこの混ざり合わない二色の川面を度々眺めることになる。
2河川合流点でUターンしフェリーターミナルも通り過ぎてネグロ側を上流へ上流へと向かう。道が発達していないアマゾン流域ではガソリンスタンドの代わりにガソリンボートが河上に停泊している。

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河岸から張り出したレストランにて途中下車。お昼ゴハンかなと期待したがジャングルのちょい奥にある池までほんの数分の散歩。フェリーボートのキャプテンと副操縦士ジョルジの後をてくてくと付いて行く。所変われば品変わる。池で泳ぐ魚はよくよく見ればアロワナの群れ。この美しいアロワナの群れに息を呑むのですが驚くのはまだ早い。カメレオンにジャカレー(クロコダイル)、ピラニアにマカッコ(猿)、コンドルみたいにドデカイ鳥。ほんの少し歩くだけでありのままの動植物達の姿に出会う。
船に戻り更に4時間。贅沢な話、広大なアマゾン河はもう見飽きていた。ジョルジにポルトガル語を習いながら時間をつぶす。ジョルジの語り口は物静かで眼差しには諦観の色が漂う。
海のようだった河幅も徐々に狭まり、数メートル先の川岸に群生する浸水林の表情が目に楽しい。

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14時、やっとこさ川面に浮かぶロッジに到着。緑のペンキで塗られたロッジはフットサルのハーフコートサイズ。もう少し大きいかな。手前1/3にはちっぽけなバーと4人がけのテーブルが4つ並び、その奥には思いのほかしっかりしたベッドが入った部屋が左右に四つずつ並ぶ。チェックイン前に昼メシ、食後、間髪入れずピラニア釣りへ。サンパウロから来た60代中ごろの日系の老夫婦も加わりガイドのマイキーと8人、ボートで繰り出す。
ポイントに辿り着くと帰り客を乗せたジョルジのフェリーが近付き、ポルトガル老夫婦をピックアップ。二人は日帰りコースのツアーとのこと。聞けばこのツアーは一泊をベースに日帰り、連泊のオプションもあり、水曜どうでしょうのジャングル・リベンジよろしくジャングル奥地のロッジで過ごすオプショナルツアーもあるという。Mattijs はこのオプショナルツアーに参加するという。う~、知ってたら参加したかった。

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竹竿に大味な針、そこに2センチ四方のサイコロステーキ肉を突き刺しボート上から糸を垂れる。ガイドのマイキーは竿を使わずテグスだけでひょいひょいとピラニアを釣り上げては屈託のない笑顔。ツアー客の間でも数匹釣れ始めますが自分にはあたりひとつなかったような。雨がパラパラと降り始め、マイキーが終了の合図。ボートが動き出すギリギリまで粘るのですが結局釣れない。最初から釣る気のないイスラエル娘と日系のオバチャン、オレだけ坊主。心底がっくり。
雨はみるみるうちに強くなり最終的にはザンザン振り。大粒の雨は川面に烈しくぶつかり、まるでその跳ね返りの飛沫が作り出したように薄っすらと霧も漂う。ロッジまでの半分も行かないうちにエンジンストップ。マイキーは手漕ぎに切り替えるが遅々としてボートは進まない。ツアー客は土砂降りに体温を奪われ為す術もない。舳先から手を浸すと水温の温もりを感じる。手漕ぎを諦めたマイキーはエンジンを始動するために奮闘するがバケツをひっくり返したような雨がプラグ点火を拒んでいるようだ。マイキーの表情にも焦りが見られる。
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その時サンパウロから来た日系のおじいさん(ヒロミさん)がボート前方からヒョイヒョイと移動してマイキーの手伝いを始める。エンジンに雨が当たらないように傘を作る。数度のトライでエンジンも頼りなげに始動。不安定ながら何とかまた動き出す。パンツまでずぶ濡れ、チェックインしていなかったので着替えの入ったヒップバッグもずぶ濡れ。大げさでなくスコールの中は水中のようだ。ヒロミさんは力のかかる体勢と大粒の滴に目を凝らし、ボートの行く前方を見つめている。カッコいいぜ!蘭以日のいい年の兄ちゃんたちが何もできないというのに!
スコールは屋根が近付くと止むようなカラクリになっている。ロッジの屋根が数10メートル先に近付くとそろそろと雨足を弱め、10数メートル先で完全に止んだ。雲間から光が差し、幻想的な世界に虹が架かる。川イルカが数匹顔を出してツアー客を笑っている。

部屋でシャワーを浴びて窓枠に濡れた服をかける。服はみるみる乾く。スニーカーがクッサイ臭いを放つ。
夕食の時間までおしゃべりをしてのんびり過ごす。Mattijs 達とは英語、ヒロミさんたちとは日本語、ヒロミさんはガイド達とポルトガル語で喋る。夕闇から黒く塗り潰された夜へ。電気なんてものはないのでテーブルには頼りないロウソクの炎が揺れている。夕食は薄い肉を揚げたミラネーザ milaneza 。みんな腹ペコで器にいっぱいのミラネーザはあっという間になくなる。

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夕食後中国系メキシコ人のリーさんがボートで登場。クーラーボックスにたくさんの魚を皆に誇らしげに見せる。自称フィッシングマッドマン。釣りのためならアラスカ、アフリカ、アジアと飛び回り、観光は一切しない。念願のアマゾンでは数日前からこのロッジに滞在し朝から晩まで釣りに明け暮れているとのこと。50代中頃の精力的なリーさんはイスラエルからのツアー客にファーストコンタクトでパレスチナ問題を吹っかけ、「結婚は牢獄のようなものだ」と熱く語り、俺に釣りの素晴らしさを訥々と語る。ヨーロッパからの女性陣は嫌な顔を、男性陣は複雑な顔をしていたが嫌いじゃないです、こういう人。

ロッジの船着場から夜空を見上げる。その星空の凄まじさ。夜空の広さ。阿呆のように口を開け夜空に見入る。このシチュエーションも相まって言葉が出てこない。日本から随分と時間をかけて、世界地図でいう所のあの大陸の、そのど真ん中の、アマゾンという地域の、劈くような静寂の中で、今この星空を眺めているのねぇ~、みたいな。感じ。

アマゾンツアー初日はまだまだ終わらない。片道20分ほどはエンジンの推進力で、その後は手漕ぎでナイトクルーズ。浸水林に近付くと鳥のさえずりが聞こえる。何万羽もの鳥のさえずりを重ねるとこんなにも濃密になるのか。
マイキーはあちらこちらに懐中電灯を向ける。するとジャカレー(クロコダイル)の目がルビー色に反射する。そこへボートを音もなく滑らせ、舳先から浸水林へ。枝や葉のこすれる音がしてもジャカレーは逃げないようでマイキーは膝上まで浸かって1メートルに満たない小さいジャカレーを捕まえる。2匹3匹と捕まえては、ジャカレーの生態、取り巻く環境について解説を行う。
とりあえずボート乗れよ、みたいな軽いノリだったので誰一人としてカメラを持っていなかった。う~ん残念。自分の両掌に掴み揚げられ大人しくしているジャカレーに魅了される。ジャカレーってかっこいいぜ。腹の手触りがヒタヒタと気持ちいい。

Comments:1

onopko 2007-03-30 (金) 02:40

なんか文章がこなれてきましたねー。ベレー帽かぶって書いてる感じ?おもろいです。
一人旅の記録もいいものですが、二人旅とかで同時にこういう企画を進めるのもおもしろいかも知れないッスね。Flashでお互いの同じ日の文章や写真がシームレスに切り替わる感じ。おっと、ネタとしてとっとこ。

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